『じん - Sky of Beginning(あかちゃんremix)(コサメガflip)』について

『じん - Sky of Beginning(あかちゃんremix)(コサメガflip)』という曲を作りました。

soundcloud.com

最強の原曲

www.nicovideo.jp

最強のリミックス

www.nicovideo.jp

『あかちゃんremixies vol.1』というリミックスアルバムに収録されています。

マジで全曲いいのでマジでチェックして欲しいです。

soundcloud.com

とても楽しかったので忘れないうちにいろいろ書いておきます。

経緯

あかちゃん・シティ・ポップ「曲作らない?」

コサメガ「作る!」

普通にファンだったので誘い嬉しすぎたのと、他の参加メンバーもすごかった(後に更にすごくなる)のとで絶対にやりたかったのですが、実は(でも何でもないですが)リアルがかなり立て込んでいて、誘いをもらってから締め切りの前日(11/17)の夕方まで腰を据えて曲を作れないスケジュールでした。それでも大丈夫ということだったので参加決定(大丈夫って言ってもらえたのありがたすぎる😭)。

人生最短制作でその意味でも良い経験になったので、そこら辺踏まえつつ作った順に考えてたこと書きます。

1サビ

送られてきたステムを聴いて、すげ~~~~~~~~~と一通りなった後、とりあえず手癖でfootwook的なカットアップをして、手癖で軽くビート打ち込んで、ピアノちょろっと打ち込むくらいのことをしました。自分の曲で言えば『風になって』の速い版?みたいな感じになりました。半信半疑でしたがリアルの忙しさが増していき、これで放置。次々と他参加者のwipや完成版が上がって来てそのたびに横転。

 

11/17の夕方から腰を据えて作り始めました。作り始める前に

  • 出せなかったらヤバいので全体の展開から先に作って後で細部を作る(普段は一個のパートをそれなりに作りこんでから次のパート作ったりしがち)
  • 元リミックスの逆をやる

の二つは考えていました。

1b

元リミックスは2番でハーフテンポ的な展開になるので、逆に1番でハーフテンポ的な感じに。クラリネットマリンバ、エレピ、フルート、ストリングスのピッチカートの掛け合い。後で戻って調整する時間とかないだろうな~と思いながら思いついたフレーズはとりあえず入れていきました。脳内ではTTHW5のKabanaguさん回のこのシーンが流れてました(思えばTTHW5見まくってたのが今回の制作にいきたかも)

THREE THE HARDWARE 5-4 OH YEAH | Kabanagu - YouTube

2a

記憶かなりあいまいですが次は2aを触ったはずで、1番はハーフテンポっぽくすることに決めたので逆に元テンポに。全体の展開として、イントロ・1a・1bはゆっくりめ、サビで加速して2aと2bはその勢いのままで、2サビで減速してラスサビでまた加速するくらいはこれでほぼ自動的に決まりました。

サビのfootwook的なリズムを引き継ぎつつ、ここまでと比べて若干ミニマルな感じに(元リミックスの雰囲気に近い?)。

2b

マジでどうしてこうなったのか覚えてないですがjersey clubにしたら楽しくなったので採用。1bの他の楽器の掛け合いをjersey clubのリズムに調整。2番以降の展開の作り方として「ビートで展開作って、他の楽器はそのリズムに(半自動的に?)調整する」という方法と「ビートはそのままで、他の要素で展開作る」という方法があるな~という気がして、今回は分かりやすくビートで展開を作れたので時短に繋がったかもしれません。

1a

元リミックスの好きなところとして、でっかくて美しい(?)空間が広がるというのがあって、だから(?)逆にめちゃくちゃドライにしようとなり、ドライになりました。いったん初音ミクさんを部屋に召喚するイメージ(?)。ここまではリファレンスとか全く考えずに手なりに進めてたんですが、ここで明確に『さとうもか - Loop』(世界一良い曲の一つ)っぽくしてみようかなと思い、いったん手を止めて聴きました。今聴くと別に全然これになってないですね。バイブスだけいただきました。

open.spotify.com

ビートが入ってくるところ、どうしてこういうビートになったのか覚えてないのですが結構気に入ってます。こういうビートって何て言えばいいんでしょう。明確にジャンルとかあった気もするのですが思い出せず…(知ってる方いたら教えてください)

イントロ

元リミックスのデカイ空間を引き継いでから1aでドライになる展開にしたいという狙いはあったのですが、単に僕がそれをやろうとしても元リミックスの劣化になる気しかしなく(本当に元リミックスかっこいい)一番むずかしかったかもしれません。

結局マスターにRaumをかけるとかいう脳筋解決(この前やっと無料でもらえたので使いたく、ここ以外もかけまくってる)。今思うと、原曲はかっこいいジャキジャキした音が一杯鳴っていて、それをリバーブで丸めてると考えればこれも逆ではあるのかもしれない。

バーブのMixをオートメーションでゼロにして1aへ

2サビ

基本はイントロを持ってきて、クチャっとしたスネアを鳴らして、アーメン突っ込んでもう一展開。ここに限らずですが、「イエ~イ」っていうサンプルが使えるのが嬉しく、鳴らしまくってます(鳴らしすぎかもしれない)。クチャっとしたスネアは別名義の方で前にやった(やろうとした)ことがあり、いろんな引き出し開けてる感じがして楽しかったです。

soundcloud.com

ラスサビ後

元リミックスだとスピードコアみたいになるところ。音を割りたくなったので割りました。ベースもスネアも昔hirihiriさんのこの解説見て作ってあったやつを引っ張ってきました。今観たらプロジェクトファイルも配布されててすごい(他にもいろいろヤバそうな記事がいっぱい追加されていて見なければ~~~~)。

hirihiri.fanbox.cc

元リミックスはキックが一杯鳴ってるので、逆にベースがブ~ンってなるのを聴かせる展開に。trap的なハーフテンポの後、楽しくなってムンベ的なビートに。最後で元リミックスに近づいた(?)。

マスターで割る音作りなので渡した2mixの波形が…。

ラスサビ

1サビを転調させた!!!!

 

後は締め切りまで編曲頑張りました。

生楽器的な音が鳴りつつ電子音も鳴ってる曲として、これをミックスとか全体の音像の参考にしようと思って聴いてたのですが、今聴くと別に全然違くてあれ。

open.spotify.com

感想

やる前は「完成しなかったらやべ~~~」という不安はあったのですが、最終的にはずっと楽しかったです。何かレベルアップできた感じもあります。

こういう祭的なものに参加するのが初めてで、誘ってもらえてとても嬉しかったです。こういうおもしろい誘いをもらえた時に良いものを返せるようにこれからも頑張ろうという気持ちになりました。

他の曲もめちゃくちゃ良くて最高!!!!!!みんなありがとう!!!!!!

『Pollaid - 水平線コントラスト』について

『水平線コントラスト』という曲を作りました。

ボーカルはPollaidさんで『epic plans!』というEPに収録されています。

各種リンク:epic plans! by Pollaid - DistroKid

良すぎるジャケ付きの告知ツイート

良すぎるティザー

youtu.be

影響を受けたであろう曲をあげながら、作ってるときに考えていたことや、今思うことを書きます。

作ってるときはかなり無心の時間が長いので、ほとんど全部後付けです。作ってから時間も結構経っているので、他人の曲に「影響元これでは?」と言ってるのとほとんど同じ感覚でやってます。

基本的にSoundQuestを数年前に読んだときに得た知識をもとにやっていて、ある程度そこらへんの作法に慣れてないとかなり読みにくいかもしれません。意味不明な個所は適当に読み飛ばしてもらって、貼ってある曲の該当箇所を聴いてもらうだけでも面白いかと思います(僕が好きな曲を知ってもらえるだけもかなり満足)。

コードはいわゆるディグリーネームで書いています(ディグリーネーム - SoundQuest)。「ドレミファソラシド」とかは階名(いわゆる移動ド)です。

理論的に間違ったことを言ってる可能性が大いにあり、めちゃくちゃなことを言ってたらすみません……。ご指摘いただけると幸いです。

曲リスト

とりあえず記事内で触れた曲のリストを置いておきます。

Stream ターンテーブル by EljiThomason | Listen online for free on SoundCloud

構想

Pollaidさんのコンセプトは「アニソンや声優ソングにみられる作編曲に影響を受け、そのワクワクする雰囲気に男性ボーカルで新しい解釈を提示する(Spotifyのアーティストページから)」ということなので、そのような曲になるように頑張りました。

EPのコンセプトが船だということを事前に聞いていたので船っぽい、海っぽい曲にしたいなと思ってました。

1st EPにも『向こう見ずプロローグ』という曲提供させてもらったので、それとの連続性は持たせつつ別のパターンを見せたいなということを考えていました。

絶対にチェックしてほしい1st EPのクロスフェード

youtu.be

何とMVが存在して、絶対にチェックしてほしい。

youtu.be

『向こう見ず~』との差別化として作る前にやろうと思っていたことは

  • 『向こう見ず~』のサビはIV始まりだったので、Iから展開させる
  • 『向こう見ず~』のサビは「ソ」周辺をうろつくメロだったので、でかい跳躍入れたり、上がったり下がったりするメロにする
  • サビ前で露骨に転調する

前からあった別のやりたいこととしてLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyみたいな曲作りたいというのがあり、やりました。サントリー公式バーチャルYouTuberの燦鳥ノムさんに、カゲプロでおなじみのじんさんが提供した曲。マジで好き過ぎる。BPM140くらいのこういうノリのポップスって以外とあんまりないイメージ(digが足りないだけかもしれない)。BPM130くらいならdisco的な?四つ打ちの曲結構あるイメージだけど。

具体的な話

コード全体

とりあえずコード全体載せておきます。

key: Emaj

イントロ
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

1A
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 | V7sus4
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

1B
IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | Vaug | IIIm7/VI

key: F#maj

1C
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

IVsus4 IV

key: Emaj

2A
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

2B
IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | VIbM7 | IIIb VIb | Vsus4 VI

key: F#maj

2C
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

間奏
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IIm7 | IIIm7 | IVmM7 | IIm7/V

D

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

3C

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

アウトロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

作った順に各パートについて書きます。

ベースは、僕が打ち込んだ人類には演奏不可能なMIDIをImanishiさんに投げたら、一晩で(というか数時間で)全編良い感じに編曲し直されて返ってきたものです(マジですごい)。そのうち解説記事があがるらしいのでご期待ください(僕も超楽しみです)。

1サビ

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#

構想通りIから展開するコード進行。
ベースがぐんぐん上がっていく進行でわくわく感を演出できてる?

作ってるときに意識してたか記憶が曖昧なのですが、元ネタはこれのはず。
【GUMI】 地球最後の告白を 【オリジナル・PV付】 - ニコニコ動画
元ネタではVを経由せず一気にV#dimへ行ってますね。

笑って フラジール ‑ 曲・歌詞:≒JOY | Spotify
同じ進行の曲募集したら教えてもらった曲(good)。これはドンピシャで同じ。

IとIVは9th入れると気持ちいいのでコサメガ曲では基本的に手癖で入れちゃってます。さわやかさ?

I/IIIのところはIIImとかIIIにすることもできそう。全体としてはかなり違うけど、例えば『Life is tasty』のサビではIからIIIに行ってて、『水平線~』と比較するとめちゃくちゃ明るいというよりはちょっと深み(?)があるような気がして、lifeの必ずしも楽しいことだけじゃない感じが出てる気がします。

メロはドから1オクターブ上のドに跳躍して、甲板に出て空が広がるイメージ。『向こう見ず~』のサビではIVの9thであるところの「ソ」から始めて、こちらも空が広がるイメージだったんですが、『水平線~』はIadd9のルートであるところの「ド」なのでよりどっしりしてる?

譜割が結構いい感じな気がします。「くー」で表拍で入ってから「そーを」で裏拍に「はみ」の八分で表に戻って来て「だ(し)て」で表拍2連打、「かがや」で十六分の食うノリでためを作って「くー」でまた表に戻る流れ。表裏の入れ替えとか八分、十六分のノリの入れ方とかが良い感じな気がする。「だして」の発音的な力強さと表拍の力強さがマッチしてる気がする(書いてみたけど意味不明かも。ニュアンスだけでも伝われば)。

サビ頭メロのピアノロールのスクショ(基本的にMIDIは全部Cmajに移調してLiveのPitchっていうMIDIエフェクトでトランスポーズしてます)。

IVに対して#11(つまり「シ」)をあてるのが大好きなので、コサメガ曲では隙あらば入れてます。今回は露骨にボーカルの「輝く」の「く」が#11になってます。ストリングスも「シードー」とユニゾンしてます。IVにボーカルで#11を当てる例としては

そもそもコードのルートに対して何度のメロを当てるかを意識するようになったのがSoundQuestというネットの無料の(無料!!!!)音楽理論サイトで、『A Whole New World』はここで言及されていました。増四度だから結構きつい響きだよねみたいな話もされてます。詳しくは4th Shellの用法 - 2ページ目 (2ページ中) - SoundQuestをご覧ください(マジでおすすめのサイトなので全員読んで欲しい)。

「輝く太陽」とのところ、ボーカルは「シードーソー」といったん「ソ」に落ち着いて、ストリングスが「シードー」とユニゾンした後「レーシーファーミーレドー」とパワーを受け継ぐイメージ?「ファ」のところはコードがIII7(b9)/V#で、ルートに対して減七度になってるのが良い味出てる気がする。あとベースがうねうねしてて嬉しい。

頭にあったのは23時の春雷少女 ‑ 曲・歌詞:鬼頭明里 | Spotifyのサビ二発目のIII7でメロが「ファミレレード」となるところ。

VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

うっすら「VIm7とIIIm7往復するやつあったよな~」という記憶があって生まれた進行(ドンピシャの元ネタあるかもしれないけど思い出せない)。

II7、あんまり使ったことなかったんですが良い感じにはまってる気がする。もう一回IIIm7行きそうなところ外す感じ?(実際IIIm7にしても成立すると思う)。コード変わり目のボーカルはIIの9thであるところの「ミ」でこれも良い味出してる気がする(歌詞で言うと「風とハイタッチして」の「ハ」)。

「ラソミレド」と「ソミレド」の四七抜き的なフレーズをしつこく。じんさんリスペクト。例いっぱいある気がしますがパッと思い出し、かつ僕がめちゃく好きな曲として空想フォレスト ‑ 曲・歌詞:じん | SpotifyのAメロとか(大名曲過ぎる。結局俺はこれがやりたいだけなのかもしれない)。

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

大体繰り返しで、「シドソ」だったところが「レドソ」になって盛り上がりを追加。IVM9(#11) って書いたけどコードチェンジ頭はメロに合わせてIVM6(9)(#11)になってて響き的に展開ができてる?

ストリングスも「シードーレーシーファーミーレドー」が「レードーレーシーファーソーレドー」になって盛り上がりを追加。「ソ」がIIIのb9なのできつめの響きにきこえて、それが良い感じな気がする。

サビ全体の話として、メロの繰り返し構造を意識して作りました。

繰り返しの話はモチーフの提示・展開・解消 - SoundQuestがめちゃくちゃ分かりやすくおもしろいのでおすすめです。今後この記事ではかなり繰り返しを意識しているということを度々書きますが、SoundQuestでも言われているように下手な繰り返しは単調さに繋がるのでうまい繰り返しなのかは不明……(ご意見大募集)。

ピッチの上下無視して譜割が同じな部分を同じ色で囲むとこんな感じに(意味不明かもしれない)。途中で途切れてるのは途中までは一緒という意味。水色のMIDIはボーカル全体で、茶色のMIDIはストリングスのメロが立ってる部分です。

サビ頭の跳躍するメロがメインのモチーフ的な役割で、加えて黄色で囲った部分が定期的に出てくるのがポイントな気がします。

今後はこの繰り返しをBメロAメロに伏線的にちりばめることを考えながら作ります(とはいえ明確に繰り返し意識して作る部分は限られてて、大抵”自然に”(とは?)作ったら繰り返しが含まれるメロになると思います)。

1B

僕の思う良いアニソン・J-POPのBメロの条件としては「Aメロから雰囲気が変わっておっ!となれる」「サビへの期待感が高まる」がとりあえずあり、それを目指します。「Aメロから雰囲気変わって~」というのは、Aメロをまだ作ってないので、Aメロ側でも調整します。

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7

サビがI始まりなので展開つけるためにIV始まりに。いわゆる4536(王道進行?)の変形でVをIVmにしたやつ。『向こう見ず~』のBメロと似た進行になっちゃったけど耐えてる範囲と判断して採用。

IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | Vaug IIm7/V | IIIm7/VI VI7

2からベースが上がっていくと期待が高まって嬉しい。2344#5と上がってサビに行くのはマジで例が挙げればキリがないですが、この刻みかたは完全にLOVE TOGETHER ‑ 曲・歌詞:NONA REEVES | Spotifyのサビ前(1:16~)が元ネタ(リズムがくってるかという違いはあるけど)。

サビで露骨に転調するというコンセプトがあったのでそれをやりたく、サビ前転調曲をいろいろ思い出す中でいいな~と思ったのが、菅野よう子さん作曲創聖のアクエリオン ‑ 曲・歌詞:AKINO | Spotifyでした。Bメロのコード、他の部分もすごいけど要するにIIm7/VからグッとIIIm7/VIに平行移動すると+2転調できるって話だと理解しました。IIm7/V自体はずっと大好きで、コサメガ曲は基本的にVが全てこれに置き換わってます。IIIm7/VIって構成音が全部転調前のスケールと転調後のスケールに含まれてて共通してるから(いわゆるピポットコード)割と自然に転調できるんだと思います。2345とくるアニソン・J-POP的お決まりがあって、さらにその先にグッと行く感じが気持ちいい気がします(今SoundQuest読み返してたらまさに『創世のアクエリオン』の転調部分解説されてたのでこちらもぜひ ポップスの転調技法 ❸全音の転調 - SoundQuest )

IIm7/VからIIIm7/VIへ行くというのが決まり、ところでもうひとひねり欲しいな~と思ってVaugを差し込んでます。augの濁った響きを経由することで、IIm7/Vの気持ち良さ、平行移動の気持ち良さ、サビ入りの爽快感が増すと良いな~という狙いです。メロ自体は単なる「ソ」のロングトーンなので聴きやすさも損なわれてないかな~と。

サビ前aug曲は、パッと思い出せるのだとハジマリの音 ‑ 曲・歌詞:Pollaid | Spotify

グッドラック ライラック ‑ 曲・歌詞:GATALIS<阿佐ヶ谷みのあ(CV:本渡楓)、上井草アリス(CV:千本木彩花)、高円寺みこ(CV:東城日沙子)> | Spotify

VIsus4からVI行くみたいな感じでVI7にしたら気持ち良かったのでそうしました。

メロは例のごとく繰り返しが含まれてます。黄色はサビでも肝になってくるメロで、伴奏の刻みも込みでしつこく。全体的にキメを多めにすることでサビのサステイン気味で広がる感じ(?)と対比させようという狙いがあります。

サビ前の「君のもの」のところはいろいろな要素の繰り返しになってる気がします。

一つは黄緑で囲った部分の譜割が繰り返されてます。ここまでBメロは上の画像で言う黄色のリズムが強調されてて、「君のもの」が、サビ頭で提示するメインのモチーフ(黄緑)の予告をすることでスムーズなつながりになってる?

二つ目は紫で囲った部分の、ピッチの遷移が繰り返されてます。(約)一オクターブ跳躍してから徐々に下がっていく構造です。これも予告になってる?Bメロでは跳躍部分が表拍だったのが、サビではズレて裏拍になってるのも良い気がします。繰り返しを仕込みながら拍をズラすことで、展開を作って単調さを回避できてる?

三つめはオレンジで囲った部分の、ピッチの遷移が繰り返されてます。これは紫と違い、単にピッチの上下の仕方が一致してるだけでなく、「ラソミレ」と完全に一致してます。Bメロの段階だとまだ前のキーを引きずってるので、繰り返してる感薄いけど聴いたことはある気がする、みたいな印象になって欲しいなという狙いがあります。

繰り返しとは別の話として、メロがぐんぐん上がっていくようにしてサビの盛り上がりを演出しています。ウオ~~~感。

Bメロでサビのメロを予告するのはLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyがそうなってるのに気づいてから意識するようになった気がします。サビ前1:10の「みませんか」がサビ1:14の「いろめいて」と完全に一致しています。

1A

I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 | V7sus4
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

キメの感じは完全にLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyです。これがやりたかっただけかもしれない。

コードはIからベースがどんどん下がっていくやつ。サビがIからぐんぐん上がっていくのと対比が効いてるかも。

ようこそジャパリパークへ ‑ 曲・歌詞:どうぶつビスケッツ, PPP | SpotifyのAメロのコードってこんな感じだったけな~と思い出しながらコード考えてたんですが、今確認したら結構違いました。

DIAMONDS (ダイアモンド) ‑ 曲・歌詞:PRINCESS PRINCESS | Spotifyも頭にあって、IVm/VIbのところとかは意識してました。DIAMONDSではサビの1:26の部分(ここメロの繰り返しとコードでの展開の作り方が巧みすぎる)。コードチェンジの時のメロは「ソ」なのでちょっときつめの響きかもしれないですが良いかな~と。

例のごとく繰り返しを意識。

緑で囲った形を繰り返しながらじわじわ上に上がっていきます。ベースは下がってるので全体として広がっていくイメージで(?)ゴージャス(?)。クラシックとかだと逆行?みたいな言い方したような記憶があります(嘘かもしれない)

ここまで出てきた黄色のパターンはここにも定期的に登場していて全体の統一感につながってる気がします。

「(捉)えたふねのりんかくは」のところが、Bメロ頭の「遠ざかるみなと」とほぼ一致していて伏線になってる?

イントロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

いわゆる4321。大好き過ぎて使いまくっており、またやってるわと思われてないか不安ですが、好きなので……。パッと思い出せる使用例としては

3のところをIIImにするかI/IIIにするか好みあると思いますが、I/IIIの方が明るくて今回のコンセプトには合うと思いこっちにしました。

2A

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7|IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | V#M7 | II# V# | Vsus4 VI

二番完全繰り返しだと飽きちゃうので三連符入れてみました。繰り返しも省略。

2B

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7|IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | VIbM7 | IIIb VIb | Vsus4 VI

Bも基本繰り返し。ベースのアレンジが光る(感謝)。

転調前のところでちょっとこねていて、VがVIbになってます。どうやってこうなったのかあんまり覚えてないですが、II7/IV#からVに半音で行ってたのを全音にしたらおもろいかな?というのと、ボーカルの「ソ」に対して当てるコードとしてVIbが好きなので手癖的に入れてみた、みたいな感じだったと思います。VIbM7→IIIb→VIbと往復するのは何とか本筋に戻ろうとウロウロした結果だったと思います。

IIIb VIbのところは+3転調してるので、ドから一オクターブ上のドへ跳躍して下がってくるところでソ#やラ#を経由してます。繰り返しつつバリエーションが生まれてる?

元ネタとしてStream ターンテーブル by EljiThomason | Listen online for free on SoundCloudがあって、0:46では「ドラ#ソ#ソ」のメロが、1:37にVIbに「ソ」を当てるのがあります(今思うと、ここの歌詞「旋回してまた出会う!」で、元ネタは曲名『ターンテーブル』だし「まわるまわる弧を描いて」って歌詞だし無意識に引っ張られたのかもしれない)

2サビ

特に変更なし。

間奏

IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IIm7 | IIIm7 | IVmM7 | IIm7/V

いわゆる4536の変形。雰囲気がちょっとピリッとするというか陰りがある気がする。

ここも繰り返しを意識しつつピアノとストリングスのメロ考えました(省略)。

熱いギターが全てを解決し、Dメロへ……。IVmM7(要するにV#aug/IV)が好きなのでぶち込み、ギターも「ミドソ#ミソ#ド」とホールトーンでアチアチ。

Dメロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

4321のごり押し。間奏のちょっと陰りがある雰囲気を、IVmM7としもぞのさんのアチアチギターソロで突き抜けて、また光を得るみたいなイメージ。メロはサビのドから一オクターブ上のドへ跳躍するモチーフを展開させた感じです。

イントロの進行でもあるので帰ってきた感がちょっとあるかもしれない。

3C

コードは同じ。

キメを入れると嬉しくなれて、嬉しくなりたかったので入れました。

ベースがいい仕事し過ぎでマジで超感動。

アウトロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

基本的にイントロと同じですが、サビで転調したまま戻ってないので、強くなって帰ってきた感?がでてる気がします。

その他、影響を受けた曲や曲以外のもの

上で触れられなかった参考にした曲や曲以外のものについて

  • ミツバチ ‑ 曲・歌詞:Le☆S☆Ca | Spotify
    • 大正義田淵智也さんのナナシス曲。ベース、ストリングス、エレキギター、ピアノ、グロッケンなど、編曲の参考にしました。ベースのリファレンスとしてImanishiさんに伝えもしました。
  • 青空のラプソディ ‑ 曲・歌詞:fhána | Spotify

    • 具体的なことというより全体的なバイブスですが、華やかさとか、サビのコードがIから展開する感じとか、Bメロ→サビで転調する感じとか参考しました。大名曲。
  • サンシャイン・ロマンス - New Version ‑ 曲・歌詞:Original Love | Spotify

    • かな~りバイブスですが、男性ボーカル、海、太陽、みたいな感じで意識してました。Original Loveの良い意味での臭さをPollaidさん的?アニソン的?爽やかさに変換するイメージで作りました。
  • Shoo-Bee-Doo-Wap-Wap! ‑ 曲・歌詞:水瀬いのり | Spotify

    • マジでバイブスでしかないですが、ここら辺の女性声優ソングのわくわく感をやりたいんですよね~。「世界はまだまだ 大丈夫です」って言っちゃって成立する曲の強度というか……。
  • パパパ ‑ 曲・歌詞:斉藤 朱夏 | Spotify

    • 同上。この曲を含む、女性声優ソングとかに含まれる「主体から君への気持ち」みたいなものを一発抽象化、再解釈して、Pollaidさんに似合った別の気持ち(かつ僕が言いたいこと)に変換するイメージでやってます。
  • WiLD CANDY ‑ 曲・歌詞:LiSA | Spotify

    • 『水平線~』に限らず僕が影響を受け続けてる曲。
      全編好きなので歌詞引き出したらキリないですが「太陽と飛行機のキスシーンに say happy!」みたいな眩しすぎる表現と「人生ばっか考えちゃうのは(幸セッテ何処ダイ見エナイ)」みたいな微シリアスな表現のバランスが絶妙で、落ちサビで「裸足で笑うシンデレラ そうやって そうやって 生きてゆこう」「真っ白な1ページ 走り書きの "so happy!"」と、それらの表現が融合した形で強くスタンスを提示するのがすごい……。
      2012年LiSAさんのポップ・キュートさとシリアスさの合わせ方として正解な気がして、こういう塩梅でPollaidさんのさわやか・わくわく・ポップさとシリアスさ(?)みたいなものを融合させたいという狙いがありました。
  • ライフイズクソゲー ‑ 曲・歌詞:ひがしやしき | Spotify

    • 聴いて欲しい。
    • 船とか海とかが出てくるアニメのオープニング映像を見てイメージを膨らませました。特に『宇宙よりも遠い場所』のOPでサビに入る時、でっかい船をぐる~っとカメラが映すところが印象的で、イメージしながら作ってました。

    • リアル船の映像も見ました。特に一個目のやつは港に車で向かうシーンもあってかなり歌詞に反映されてます。

    • 0:22~。良すぎるテロップ。
    • カモメ映像。こういう作られ過ぎてないVlog特有の躍動感というかグルーヴというか、一番インスピレーション湧くかもしれない。
    • 作るのに向けて観たわけではなかったんですが結果的に影響を受けました。港の情景、船で陸から離れていくときの空気感(?)。

おわり

終わりです。後半に行くにしたがって若干しりすぼみになってしまいましたが何とか書ききりました。かなりめちゃくちゃなこと言っている可能性が高く、ご意見随時募集しております。

Pollaidさん、めちゃくちゃ熱いアーティストだと思うので是非チェックよろしくお願いします。

linktr.ee

『Collect such scenes! feat. 初音ミク』について

『Collect such scenes! feat. 初音ミク』という曲を作りました。

各種リンク

Collect such scenes! feat. 初音ミク - ニコニコ動画

コサメガ - Collect such scenes! feat. 初音ミク - YouTube

Stream Collect such scenes! feat. 初音ミク by コサメガ | Listen online for free on SoundCloud

影響を受けたであろう曲をあげながら、作ってるときに考えていたことや、今思うことを書きます。

作ってるときはかなり無心の時間が長いので、ほとんど全部後付けです。作ってから時間も結構経っているので、他人の曲に「影響元これでは?」と言ってるのとほとんど同じ感覚でやってます。

具体的な曲をあげる際に具体的なジャンルと紐づけることがあります。めちゃくちゃなことを言ってたらすみません……。めちゃくちゃなことを言ってたらご指摘いただけると幸いです。

曲リスト

とりあえず記事内で触れた曲のリストを置いておきます。

open.spotify.com

soundcloud.com

dj newtown - flying between stars

周辺 - Ashedmoon(Samiyama Remix)

構想

5月下旬くらいに手を付け始めたのですが、とっかかりとしては次のような要素があったと思います。

こういう気持ちが意識的に半分、無意識に半分ありました。
デモが残っていたので貼ります。

youtu.be

この時は「マスロック的なビートを作れたぞ!」と思っていたのですが別にマスロック的ではないですね……。この後どこかの段階で16(5+5+6)/8だったのが11(5+6)/8になり、最終版のビートになりました。

これ以外に練習というかアイデア出しでいくつかループを作っていたのですが、これが良い感じだったのでこれで歌ものを作ろうとなりました。

アレンジの方向として、マスロックみたいにアコースティックドラムが頑張るというよりは色んなパーカッシブな音入れてガチャガチャさせることに。lalanoiさんとかa r u k a.さんとかuku kasaiさんあたりの感じを真似しようとしました。

1A

変拍子、混合拍子の曲にメロを付けるとなっておそらく影響を受けたのは上に上げたマスロックの曲に加えてここら辺?

確か1Aのメロつけるくらいまで作ってから1Bを作り始めました。

1B

1つ明確に意識していたのはn連符の展開を入れようということです。

周辺 - Ashedmoon(Samiyama Remix) というめちゃくちゃ好きな曲があって、目まぐるしいビート上の展開に3連符を効果的に入れてくるところがあり、俺もやりたいな~となったのでやりました。3連符が良いなら5連符も良いのでは?となり、5連符も入れてみました。3連符と5連符が入ってたり、強拍で音抜いてたりして捉えにくくなっているものの、一応基本6/8か3/4で踊れるはず……

あとは掛け合いが楽しい感じになるように頑張りました。メロの隙間に色んな楽器が入ってくるイメージ。

1st drop

どうしてこうなったのかあんまり覚えてないんですが、基本的には1AのMIDIとかサンプルとかを切り貼りしていったはずで、11/8を無理やり別の拍子に詰めたことによって面白い感じになった気がします。2/4っぽくきこえるんですが、皆さんにはどうきこえますか?

ドロップまでに出てきたパートを使ってドロップ作るみたいな発想自体はphritzさんのtutorialで知りました。

youtu.beリサンプリング的な発想でやりつつ、ある程度MIDIも制御してるのが面白味につながってる気がします。

アーメンブレイクの、クラッシュとキックが同時になる部分を使いまくる曲あると思うのですが、それがかなり好きで、ドビシーみたいな音をたくさん入れました。

2A

1Aのビートを引き継ぎつつTrapっぽいビートにしようと思って切り貼りしたら、また拍子を合わせるときの歪み(?)からか面白い感じになったのでそのまま進めました。Trap、8(3+5)/4にきこえるんですが、この曲は3の後のキックが本来(?)くるところで笛がポピッポとなって延長されて、4.5+1.5/4(つまり9+3/8)にきこえる気がします。変拍子Trap自体は上でもあげたTomgggさんの『Journey』と『faithlessness - Tomggg Remix』があって、なんとなく意識はしてました。『Journey』についてTomgggさんがNoteを書いてくださっていて、ここらへんの記述が頭に残っていたような気もします。

さらに自分もclaveやらbossanovaを取り入れたTrapを考えていてこんなremixを作ったりしていたのですが、これをよりアップデートした曲を作りたいと思っていました。この時のノウハウでいけるんじゃないかなと思いました。

そもそも異なるジャンルをミックスする頭の使い方?みたいなものもこの記事から学んだ気がして、本当に感謝……

Trapに内包されているハーフテンポと倍のテンポのリズム構造が好きなのですが、そこをぶち抜く7/8拍子がメインのリズムになっています。(この曲のテンポは95 or 190でやたらあげてしまった)縦ノリにしては早く、ハーフでとるとシンコペーションで前にくってるのでコケそうになる楽しいビートができました。

Trapの面白味ってこうよねというはこれで理解した気がします。

note.com

2B

1Bのコピペ。複雑なので辺にこねるより単に繰り返した方が良いと判断しました。

2nd drop

基本的に1dropを書き出したものを気合で切り刻んで、パーカッションやベースなどを少し追加しています。最後の方はグリッドも無視していい感じになるように置きました。

2mix切り刻むのはここら辺? 

そもそもカットアップっておもしろいな~となったのはin the blue shirtさんのこの動画

www.youtube.com

もっと言えば、そもそも音楽作るときのおもしろさを言語化するのって大切だな~と思ったきっかけでもあり感謝……

グリッド無視してビート組むのはluminescence ‑ 曲・歌詞:ISLTR, nxvb | Spotifyが好き過ぎていつかやりたいと思っていて、ちょっとだけ入れてみました。ところでluminescenceはグリッドの秩序破壊してから戻ってくるところが一番気持ちいい気がして、そういうのもやってみたいものです……

バイブス

作曲がどうとか編曲がどうとかサウンドがどうとかいうよりもっと漠然とバイブス面

  • 非合成音声
    • in the blue shirtさん、Kabanaguさん、中村佳穂さん辺りをこの時期めちゃくちゃ聴いてたので多分影響受けてます。
  • 合成音声
    • 「合成音声と生活・街・町」 コサメガさんの公開マイリスト - ニコニコ

    • と勝手に括ってマイリストを作っております。
    • 良くも悪くも人間が生活・街・町について歌うと生々しさが出る気がして、その点合成音声でやるとその生々しさが、こちらも良くも悪くも薄まる気がして、そういう雰囲気がとても好きです。アコースティック方面からのアプローチ、バチバチ電子音楽方面からのアプローチ、そのミックスなど、とにかくここら辺にとても興味があって自分もやっていきたい。
  • 一千光年
    • 説明不要の大名曲。前回2023春のボカコレでこれにマジでくらってしまい、合成音声頑張ろう、次もボカコレ出そうという気持ちになりました。
  • ストリーミング・ドリーミング
  • Tomggg & ena mori / いちごミルク Remix Project
    • stemが配布されリミックスを公募するという企画がありました。結局形にならなく公開できなかったのですが、めちゃくちゃ学びになりました。
  • THREE THE HARDWAR
    • というtofubeatsさんがやっている、音楽クリエイターがリレー形式で曲を作っていく企画がありまして、好きなクリエイターの制作風景が見られてとても良いです。
    • 特にパソコン音楽クラブの柴田さん回で、sin波の単音を入れていくシーンがめちゃくちゃ印象的で、このシーンの真似をしながら音を足していきました(下動画、時間指定できてる?)。

      youtu.be

    • 他の回ももれなく全て面白いので超おすすめです。
    • 制作風景見てると大体全員踊ってるので僕も踊るようにしています。
おわり

おわりです。僕自身好きなアーティストのこういう記事を読んで育ったので、僕の曲を面白いと思ってくれる人の役に立てば幸いです。ところで書いていて自分の思考を整理するのにも役立ったのでそれも良かったです。

2022年良かった曲まとめ

 2022年を振り返るために、2022年リリースで良いと思った10曲、2022年に出会った(再会も含む)2022年より前リリースで良いと思った10曲を紹介します。

2022年リリース

 デカColour BassレーベルRushdownから1月に出たコンピの2曲目。Colour Bassの手法が広く知られて個性を出すのが難しい段階に入ったような気がしていたのですが(本当でしょうか?)この曲はカラーベースの水っぽい感じ?がありつつ、音抜き差しの展開や空間の展開があまり聴いたことない感じがしました(私のdigが浅いだけかも知れない)。メロディも好き。かっこよすぎ。

 

 4月リリース。a r u k a.さんはphritzさんのプレイリストに「あの枝の葉」という別の曲が入っていて知りました(こちらも大好き)。ビットクラッシュされたドラムと包み込むようなパッド、キュワキュワしたカットアップのリフ(?)に優しいボーカルのやさしいメロが乗って最高になってます。歌詞もめちゃくちゃ好き。「拝啓、土の匂いがする。」の歌い出しで掴まれました。

 

 5月リリース。音割れbreakcore?yanagamiyukiさんの原曲がそもそも大名曲なのですが、原曲の持っているエネルギーが激しい歪みとビートのアレンジによって更に増幅されているようにきこえます。「おれがお前の分もラップするボーカロイド 限界まで上げろ精度を フルシンクロ」「今日 死んで初音ミクになるEエンド? 生涯 人間のまま報われないレースを?」と人とボーカロイドの境界が曖昧になっていく中で「ユニークさ競うbeat 流行り廃りのスピード 命の自由意志を ねじ込む0.2秒 上位互換のボカロPがいてなお 書く意味を」と創作者の苦悩を歌う曲で、感情がデカい。残念ながらストリーミング配信されていなく、それによってあまり知られていないとすると本当に悲しい(spotifyで計上されていないのであれですが多分今年一番聴いた)。

 

 6月リリース。同月にリリースされたアルバムからの先行。メロディと声と歌詞がマジで良く、音数の少ないオケがそれらを引き立てている気がします。混合拍子の展開だけどスッと入って来もする(単に聴き慣れただけかもしれない)。歌詞が超好きで、上手く説明出来ないけど何か分かるという情景描写が巧みだな~と思いました。「やけに光ってた 看板気付けばもうない 遠くで犬鳴く」漠然とした寂しさ?時の流れ?
 kabanaguさんが「ほぼゆめ」制作中にインタビューに答えているpodcastがあってとても面白かったです。詩先で作ったという話、「いい歌詞といいメロディといいコードあればいいですよね」など。

#3 「dj newtown - 2005 REMIXES」発売記念インタビュー with Kabanagu & tomad (Maltine Records) - HIHATT DISTRIBUTION CENTRE radio | Podcast on Spotify

 

 7月リリース。カラカラ音、ギター、語り(?)からしっとり始まったかと思ったらすぐにfootwork的なキックが入って来てトップスピードに。複雑ながらも秩序だった(?)ビートでとても楽しい。ビートのノリが変わっていく展開も楽しくてめちゃくちゃ好きです。

 

 7月リリース。去年アルバム「See-Voice」を出したパソコン音楽クラブの次の一手は???と勝手に盛り上がっていた中これが出てひっくり返りました。「See-Voice」が全体として内向的なアルバムだったと思うのですが、これはかなり外側に開けるアッパーな曲にきこえます。「あっちこっち歩いていたい なんとなく楽しそうなほうへ」の歌い出し~。八分音符、ペンタトニックを基調とした、順次進行多めのメロで(?)めちゃくちゃキャッチー。ポップだけどビートは要所でかなりバキバキしてて良い意味でのオタク感(?)も感じます。サビの337のキックがめちゃくちゃ上がる。最初に聴いたときはこのキックのパターンをあるの種フリとして使うのかな~と聴いていたんですが、実際はそのまま最後まで押し切って(と言って良いのか分からないですがそうきこえた)それが新鮮にきこえたし気持ち良くもありました。

 多分この辺りで「ガチャガチャビートポップス」というジャンルを友達に提唱し始めました。厳密な定義とかは全くないですが、名前の通りビートがガチャガチャしてるポップスのことで、下のような曲たちを指したくて使ってる単語です。

 

 9月リリース。待ちに待ったウ山あまねさんのアルバム。マジでくらいました。エクスペリメンタル音(いわゆるキモ音?)にキャッチーなメロディ、ナンセンス?と一瞬思うような(実際にナンセンスなのかもしれない)聞いたことないフレーズであふれる歌詞、劇的な展開。各所で言ってるのですが、キモい音が単にキモい音として使われているだけでなく、ある種の切実な気持ち?に昇華されているようにきこえて、それがとても好きです。「ただ朝がくるまで 君と彷徨っていたい ずっと」ですわ。 

 

 11月リリース。PAS TASTAもピーナッツくんも好きなので、twitterで匂わせが来たときはマジでテンション上がりました。そして期待をゆうゆうと超えるクオリティ(最高~~~)。「祭囃子デジタル・パンク・サウンド」らしい。突拍子のない展開、歪み、サンプリング。とにかくでっかいエネルギーを感じました。ネットミームがちりばめられたMVもクール。PAS TASTAが今年というのがびっくり(all nightは去年だけど)。マジでやばい6人のマジでやばいグループなのでマジで要チェック。

 

 11月リリース。Fellsiusさんのアルバムから。マジで大名盤なのでどれを上げるかとても迷ったのですが今の気分ではこれが一番。アルバム全体として、エクスペリメンタルなサウンド、ストイックなビート、音数を絞って無音を聴かせたり、ドライな感じを聴かせる曲が多いと思うんですが、13曲目でデカ空間のbreakcoreが始まって最初聴いたときにたまげた記憶があります。これも全体を通して言えると思うんですが、ストイックさというか、アングラ的なダークさというか、そういう闇っぽい雰囲気を感じさせつつ、所々エモというかハッピーというか、そういう光っぽい雰囲気も感じられるのがとても好きです。デカ空間からドロップでまたドライな感じなる展開、最高~~~。なんてジャンルなのか分かって無いのですが高速でアッパーなビートマジで最高です。そしてまたデカ空間になり、breakcoreに戻るのかと思ったらshoegaze?になる展開、大団円過ぎる。高速ビートを聴いた後だからこそrock的な?ビートとデカい空間がよりでっかくきこえる気がします。普段あまりアルバム単位で聴かないのですが、このアルバムに関しては頭から最後まで聴きたくなります。一貫性を感じられる一方であの手この手でいろんなグルーヴを感じさせてくれて飽きませんし、曲順にもメッセージを感じました。是非聴いて欲しいです。

 

 12月リリース。foleyやgranularサウンドに星宮ととさんの声がのったら最高よね。凄すぎてどう説明すれば良いのか分かりませんが、クチャクチャした音にストリングス、ピアノなどアニメの劇伴的なメロ、コードが合わさってとにかくデカ感情。この方向のサウンドデザインの曲に今年何曲か出会っておもしろいな~と思っていたのですが、年末にオタク文脈?でこのようにまとめてくれる作品が投下され、まさに求めてたものだったので本当にうれしかったです。とにかくすごすぎ。

2022年出会った曲

 phritzさんのプレイリストに入っていて知りました。Indie Popと括られるんでしょうか(何もわからない)。とにかくドラムとベースがめちゃくちゃカッコいい。ドラムが良ければ曲って良くなる???👈そうっぽいよ。

 

 どういう流れか思い出せないのですが1月にMathrockにハマっていたようで、toeをかなり聴いていました。ギター、sine波、エレピ、グロッケン、ドラム、ベースなどが複雑に絡み合いながらじわじわ盛り上がっていくのがめちゃくちゃ気持ちいい。生ドラムってマジ気持ちいいということに気づきました。

 

 uku kasaiさん。去年Maltine Recordsのリリースを新しい方から聴いていく会をやって別の曲を聴いてはいたのですが、こちらの記事を読んで改めて他のリリースもちゃんと聴いてめちゃくちゃハマりました。

uku kasaiインタビュー 音楽に「温度」を宿すSSW――オンリーワンなサウンドは「手持ちの音」から – Soundmain

ざらついたビート、ノイズっぽい音の上にウィスパー気味のボーカルが乗るのが何とも言えない雰囲気(?)。ドロップ(?)のビートがめちゃくちゃかっこいい。この曲でハイハットってかっこいいな~ということに気付きました。

 

 結局Rockなのでは?と定期的になるのですが、その時に友達に教えてもらった曲。アジカンってかっこいいぜ。「現実と非現実の隙間を縫い飛ぶような 想像を その愛情を それだけが打ち抜く 僕を」という歌詞がめちゃくちゃ刺さってずっと意識しています(かっこいい)。

 

 イノタクオタクムンベ。去年聴いてお気に入りに入れてたんですがそのときはあんまり分かって無かったようで全然聴いてませんでした。ガチャガチャビートポップスを募集した時に送られてきて「これ!!!」となりました。

 

 フジロックの配信でCorneliusを見ていたときに流れて「すご!!!!」となった曲。渋谷系にハマっていた時期に聴いたはずんですが、当時はあまりわかっていなく、ビートの面白さに気づいた今ききなおすとめちゃくちゃかっこいい。breakcore、drill 'n' bass的な激しい高速のビートに対して、それに乗ってるアコギやストリングス、口笛、ボーカルなどはゆったりとしていて、その合わさり方が絶妙。速すぎて遅いみたいな感覚が自分にはあって(ヘリのプロペラが遅く見えるやつの音版?)それが心地いいです。バイブス的にも光寄り(?)で好み。時代感とかあまりわかってないんですが「これ97年の曲???」と驚かされます。かっこよすぎ。

 

 田淵智也×鬼頭明里。大分前に知ったはずなのですがその時はあんまりハマらなく、今年なんかのタイミングで聴き直してめちゃくちゃハマりました。田淵さんメロの特徴だと思ってるのが移動ドで言う「ファ」の使い方で、この曲でもそれが全面に出ている気がします(例えばサビの「目を奪って」や「日付が変わる少し前」の「がーかー」など。特に後者はかなりキメとして効いてるようにきこえる)。

 

 breakcoreを聴いてる中でpencilさんを知り(教えてもらったかもしれない)たどり着きました。footworkって良くね?となった大きな要因(これはfootcoreらしいけど)。コードが変わらなかったり短いサンプルが執拗に使われたりする展開の気持ちよさをここら辺で理解し始めた気がします。

 

 経緯は思い出せないんですがこの時期Jersey Clubにハマってたどり着いた曲。多分footworkおもしろ→キックの置き方のパターンで生まれる面白に興味が出る→Jersey Clubを思い出すという順番?あとは単に誰かが言及してたので思い出して聞いた?モッっていうキック。空間の使い方。短いサンプルを執拗に繰り返すのは瞬間を永遠に的なマインドでは?と周りに提唱していた気がする。

 

 glitch hopのゆったりとしたノリの空白に速いbreakbeatsとスラップベースを詰め込んだような曲。ハッピーなメロとコードに激しいビートとベースが絶妙に合わさった結果めちゃくちゃハッピーに。これも速すぎて遅い的なマインドを感じる。

 

 以上です。後半に行くにつれて雑になってしまいましたが、とにかく年内にちゃんと書いて公開することが大事。まとめたプレイリストをはっておきます。

2022リリースbest10 - playlist by kosamega | Spotify

2022出会ったbest10(2022より前リリース) - playlist by kosamega | Spotify

Stream kosamega | Listen to 2022出会った曲10(2022より前リリース) playlist online for free on SoundCloud

 

10曲縛り無し版もはっておきます。覗くだけでも是非。

2022リリース - playlist by kosamega | Spotify

Stream kosamega | Listen to 2022リリース playlist online for free on SoundCloud

HASAMI group 21st album「パルコの消滅」(Full Album Stream) - YouTube

 

2022に出会った(2022より前リリース) - playlist by kosamega | Spotify

Stream kosamega | Listen to 2022出会った playlist online for free on SoundCloud


ついでにTop Songs 2022もはっておきます。

聴きまくり2022 - playlist by kosamega | Spotify