『Pollaid - 水平線コントラスト』について

『水平線コントラスト』という曲を作りました。

ボーカルはPollaidさんで『epic plans!』というEPに収録されています。

各種リンク:epic plans! by Pollaid - DistroKid

良すぎるジャケ付きの告知ツイート

良すぎるティザー

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影響を受けたであろう曲をあげながら、作ってるときに考えていたことや、今思うことを書きます。

作ってるときはかなり無心の時間が長いので、ほとんど全部後付けです。作ってから時間も結構経っているので、他人の曲に「影響元これでは?」と言ってるのとほとんど同じ感覚でやってます。

基本的にSoundQuestを数年前に読んだときに得た知識をもとにやっていて、ある程度そこらへんの作法に慣れてないとかなり読みにくいかもしれません。意味不明な個所は適当に読み飛ばしてもらって、貼ってある曲の該当箇所を聴いてもらうだけでも面白いかと思います(僕が好きな曲を知ってもらえるだけもかなり満足)。

コードはいわゆるディグリーネームで書いています(ディグリーネーム - SoundQuest)。「ドレミファソラシド」とかは階名(いわゆる移動ド)です。

理論的に間違ったことを言ってる可能性が大いにあり、めちゃくちゃなことを言ってたらすみません……。ご指摘いただけると幸いです。

曲リスト

とりあえず記事内で触れた曲のリストを置いておきます。

Stream ターンテーブル by EljiThomason | Listen online for free on SoundCloud

構想

Pollaidさんのコンセプトは「アニソンや声優ソングにみられる作編曲に影響を受け、そのワクワクする雰囲気に男性ボーカルで新しい解釈を提示する(Spotifyのアーティストページから)」ということなので、そのような曲になるように頑張りました。

EPのコンセプトが船だということを事前に聞いていたので船っぽい、海っぽい曲にしたいなと思ってました。

1st EPにも『向こう見ずプロローグ』という曲提供させてもらったので、それとの連続性は持たせつつ別のパターンを見せたいなということを考えていました。

絶対にチェックしてほしい1st EPのクロスフェード

youtu.be

何とMVが存在して、絶対にチェックしてほしい。

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『向こう見ず~』との差別化として作る前にやろうと思っていたことは

  • 『向こう見ず~』のサビはIV始まりだったので、Iから展開させる
  • 『向こう見ず~』のサビは「ソ」周辺をうろつくメロだったので、でかい跳躍入れたり、上がったり下がったりするメロにする
  • サビ前で露骨に転調する

前からあった別のやりたいこととしてLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyみたいな曲作りたいというのがあり、やりました。サントリー公式バーチャルYouTuberの燦鳥ノムさんに、カゲプロでおなじみのじんさんが提供した曲。マジで好き過ぎる。BPM140くらいのこういうノリのポップスって以外とあんまりないイメージ(digが足りないだけかもしれない)。BPM130くらいならdisco的な?四つ打ちの曲結構あるイメージだけど。

具体的な話

コード全体

とりあえずコード全体載せておきます。

key: Emaj

イントロ
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

1A
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 | V7sus4
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

1B
IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | Vaug | IIIm7/VI

key: F#maj

1C
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

IVsus4 IV

key: Emaj

2A
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

2B
IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | VIbM7 | IIIb VIb | Vsus4 VI

key: F#maj

2C
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

間奏
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IIm7 | IIIm7 | IVmM7 | IIm7/V

D

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

3C

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7
Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

アウトロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

作った順に各パートについて書きます。

ベースは、僕が打ち込んだ人類には演奏不可能なMIDIをImanishiさんに投げたら、一晩で(というか数時間で)全編良い感じに編曲し直されて返ってきたものです(マジですごい)。そのうち解説記事があがるらしいのでご期待ください(僕も超楽しみです)。

1サビ

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#

構想通りIから展開するコード進行。
ベースがぐんぐん上がっていく進行でわくわく感を演出できてる?

作ってるときに意識してたか記憶が曖昧なのですが、元ネタはこれのはず。
【GUMI】 地球最後の告白を 【オリジナル・PV付】 - ニコニコ動画
元ネタではVを経由せず一気にV#dimへ行ってますね。

笑って フラジール ‑ 曲・歌詞:≒JOY | Spotify
同じ進行の曲募集したら教えてもらった曲(good)。これはドンピシャで同じ。

IとIVは9th入れると気持ちいいのでコサメガ曲では基本的に手癖で入れちゃってます。さわやかさ?

I/IIIのところはIIImとかIIIにすることもできそう。全体としてはかなり違うけど、例えば『Life is tasty』のサビではIからIIIに行ってて、『水平線~』と比較するとめちゃくちゃ明るいというよりはちょっと深み(?)があるような気がして、lifeの必ずしも楽しいことだけじゃない感じが出てる気がします。

メロはドから1オクターブ上のドに跳躍して、甲板に出て空が広がるイメージ。『向こう見ず~』のサビではIVの9thであるところの「ソ」から始めて、こちらも空が広がるイメージだったんですが、『水平線~』はIadd9のルートであるところの「ド」なのでよりどっしりしてる?

譜割が結構いい感じな気がします。「くー」で表拍で入ってから「そーを」で裏拍に「はみ」の八分で表に戻って来て「だ(し)て」で表拍2連打、「かがや」で十六分の食うノリでためを作って「くー」でまた表に戻る流れ。表裏の入れ替えとか八分、十六分のノリの入れ方とかが良い感じな気がする。「だして」の発音的な力強さと表拍の力強さがマッチしてる気がする(書いてみたけど意味不明かも。ニュアンスだけでも伝われば)。

サビ頭メロのピアノロールのスクショ(基本的にMIDIは全部Cmajに移調してLiveのPitchっていうMIDIエフェクトでトランスポーズしてます)。

IVに対して#11(つまり「シ」)をあてるのが大好きなので、コサメガ曲では隙あらば入れてます。今回は露骨にボーカルの「輝く」の「く」が#11になってます。ストリングスも「シードー」とユニゾンしてます。IVにボーカルで#11を当てる例としては

そもそもコードのルートに対して何度のメロを当てるかを意識するようになったのがSoundQuestというネットの無料の(無料!!!!)音楽理論サイトで、『A Whole New World』はここで言及されていました。増四度だから結構きつい響きだよねみたいな話もされてます。詳しくは4th Shellの用法 - 2ページ目 (2ページ中) - SoundQuestをご覧ください(マジでおすすめのサイトなので全員読んで欲しい)。

「輝く太陽」とのところ、ボーカルは「シードーソー」といったん「ソ」に落ち着いて、ストリングスが「シードー」とユニゾンした後「レーシーファーミーレドー」とパワーを受け継ぐイメージ?「ファ」のところはコードがIII7(b9)/V#で、ルートに対して減七度になってるのが良い味出てる気がする。あとベースがうねうねしてて嬉しい。

頭にあったのは23時の春雷少女 ‑ 曲・歌詞:鬼頭明里 | Spotifyのサビ二発目のIII7でメロが「ファミレレード」となるところ。

VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

うっすら「VIm7とIIIm7往復するやつあったよな~」という記憶があって生まれた進行(ドンピシャの元ネタあるかもしれないけど思い出せない)。

II7、あんまり使ったことなかったんですが良い感じにはまってる気がする。もう一回IIIm7行きそうなところ外す感じ?(実際IIIm7にしても成立すると思う)。コード変わり目のボーカルはIIの9thであるところの「ミ」でこれも良い味出してる気がする(歌詞で言うと「風とハイタッチして」の「ハ」)。

「ラソミレド」と「ソミレド」の四七抜き的なフレーズをしつこく。じんさんリスペクト。例いっぱいある気がしますがパッと思い出し、かつ僕がめちゃく好きな曲として空想フォレスト ‑ 曲・歌詞:じん | SpotifyのAメロとか(大名曲過ぎる。結局俺はこれがやりたいだけなのかもしれない)。

Iadd9 | Iadd9/III | IVM9(#11) | V7 III7(b9)/V#
VIm7 IIIm7 | VIm7 II7 | IIm7 | V7sus4 V7

大体繰り返しで、「シドソ」だったところが「レドソ」になって盛り上がりを追加。IVM9(#11) って書いたけどコードチェンジ頭はメロに合わせてIVM6(9)(#11)になってて響き的に展開ができてる?

ストリングスも「シードーレーシーファーミーレドー」が「レードーレーシーファーソーレドー」になって盛り上がりを追加。「ソ」がIIIのb9なのできつめの響きにきこえて、それが良い感じな気がする。

サビ全体の話として、メロの繰り返し構造を意識して作りました。

繰り返しの話はモチーフの提示・展開・解消 - SoundQuestがめちゃくちゃ分かりやすくおもしろいのでおすすめです。今後この記事ではかなり繰り返しを意識しているということを度々書きますが、SoundQuestでも言われているように下手な繰り返しは単調さに繋がるのでうまい繰り返しなのかは不明……(ご意見大募集)。

ピッチの上下無視して譜割が同じな部分を同じ色で囲むとこんな感じに(意味不明かもしれない)。途中で途切れてるのは途中までは一緒という意味。水色のMIDIはボーカル全体で、茶色のMIDIはストリングスのメロが立ってる部分です。

サビ頭の跳躍するメロがメインのモチーフ的な役割で、加えて黄色で囲った部分が定期的に出てくるのがポイントな気がします。

今後はこの繰り返しをBメロAメロに伏線的にちりばめることを考えながら作ります(とはいえ明確に繰り返し意識して作る部分は限られてて、大抵”自然に”(とは?)作ったら繰り返しが含まれるメロになると思います)。

1B

僕の思う良いアニソン・J-POPのBメロの条件としては「Aメロから雰囲気が変わっておっ!となれる」「サビへの期待感が高まる」がとりあえずあり、それを目指します。「Aメロから雰囲気変わって~」というのは、Aメロをまだ作ってないので、Aメロ側でも調整します。

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7

サビがI始まりなので展開つけるためにIV始まりに。いわゆる4536(王道進行?)の変形でVをIVmにしたやつ。『向こう見ず~』のBメロと似た進行になっちゃったけど耐えてる範囲と判断して採用。

IIm7 Iadd9/III IVM7 | IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | Vaug IIm7/V | IIIm7/VI VI7

2からベースが上がっていくと期待が高まって嬉しい。2344#5と上がってサビに行くのはマジで例が挙げればキリがないですが、この刻みかたは完全にLOVE TOGETHER ‑ 曲・歌詞:NONA REEVES | Spotifyのサビ前(1:16~)が元ネタ(リズムがくってるかという違いはあるけど)。

サビで露骨に転調するというコンセプトがあったのでそれをやりたく、サビ前転調曲をいろいろ思い出す中でいいな~と思ったのが、菅野よう子さん作曲創聖のアクエリオン ‑ 曲・歌詞:AKINO | Spotifyでした。Bメロのコード、他の部分もすごいけど要するにIIm7/VからグッとIIIm7/VIに平行移動すると+2転調できるって話だと理解しました。IIm7/V自体はずっと大好きで、コサメガ曲は基本的にVが全てこれに置き換わってます。IIIm7/VIって構成音が全部転調前のスケールと転調後のスケールに含まれてて共通してるから(いわゆるピポットコード)割と自然に転調できるんだと思います。2345とくるアニソン・J-POP的お決まりがあって、さらにその先にグッと行く感じが気持ちいい気がします(今SoundQuest読み返してたらまさに『創世のアクエリオン』の転調部分解説されてたのでこちらもぜひ ポップスの転調技法 ❸全音の転調 - SoundQuest )

IIm7/VからIIIm7/VIへ行くというのが決まり、ところでもうひとひねり欲しいな~と思ってVaugを差し込んでます。augの濁った響きを経由することで、IIm7/Vの気持ち良さ、平行移動の気持ち良さ、サビ入りの爽快感が増すと良いな~という狙いです。メロ自体は単なる「ソ」のロングトーンなので聴きやすさも損なわれてないかな~と。

サビ前aug曲は、パッと思い出せるのだとハジマリの音 ‑ 曲・歌詞:Pollaid | Spotify

グッドラック ライラック ‑ 曲・歌詞:GATALIS<阿佐ヶ谷みのあ(CV:本渡楓)、上井草アリス(CV:千本木彩花)、高円寺みこ(CV:東城日沙子)> | Spotify

VIsus4からVI行くみたいな感じでVI7にしたら気持ち良かったのでそうしました。

メロは例のごとく繰り返しが含まれてます。黄色はサビでも肝になってくるメロで、伴奏の刻みも込みでしつこく。全体的にキメを多めにすることでサビのサステイン気味で広がる感じ(?)と対比させようという狙いがあります。

サビ前の「君のもの」のところはいろいろな要素の繰り返しになってる気がします。

一つは黄緑で囲った部分の譜割が繰り返されてます。ここまでBメロは上の画像で言う黄色のリズムが強調されてて、「君のもの」が、サビ頭で提示するメインのモチーフ(黄緑)の予告をすることでスムーズなつながりになってる?

二つ目は紫で囲った部分の、ピッチの遷移が繰り返されてます。(約)一オクターブ跳躍してから徐々に下がっていく構造です。これも予告になってる?Bメロでは跳躍部分が表拍だったのが、サビではズレて裏拍になってるのも良い気がします。繰り返しを仕込みながら拍をズラすことで、展開を作って単調さを回避できてる?

三つめはオレンジで囲った部分の、ピッチの遷移が繰り返されてます。これは紫と違い、単にピッチの上下の仕方が一致してるだけでなく、「ラソミレ」と完全に一致してます。Bメロの段階だとまだ前のキーを引きずってるので、繰り返してる感薄いけど聴いたことはある気がする、みたいな印象になって欲しいなという狙いがあります。

繰り返しとは別の話として、メロがぐんぐん上がっていくようにしてサビの盛り上がりを演出しています。ウオ~~~感。

Bメロでサビのメロを予告するのはLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyがそうなってるのに気づいてから意識するようになった気がします。サビ前1:10の「みませんか」がサビ1:14の「いろめいて」と完全に一致しています。

1A

I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 | V7sus4
I | I7/VIIb | VIm7 | IVm6/VIb
Vsus4 | II7/IV# | IVM7 IIm7/V | Iadd9

キメの感じは完全にLife is tasty! ‑ 曲・歌詞:燦鳥ノム | Spotifyです。これがやりたかっただけかもしれない。

コードはIからベースがどんどん下がっていくやつ。サビがIからぐんぐん上がっていくのと対比が効いてるかも。

ようこそジャパリパークへ ‑ 曲・歌詞:どうぶつビスケッツ, PPP | SpotifyのAメロのコードってこんな感じだったけな~と思い出しながらコード考えてたんですが、今確認したら結構違いました。

DIAMONDS (ダイアモンド) ‑ 曲・歌詞:PRINCESS PRINCESS | Spotifyも頭にあって、IVm/VIbのところとかは意識してました。DIAMONDSではサビの1:26の部分(ここメロの繰り返しとコードでの展開の作り方が巧みすぎる)。コードチェンジの時のメロは「ソ」なのでちょっときつめの響きかもしれないですが良いかな~と。

例のごとく繰り返しを意識。

緑で囲った形を繰り返しながらじわじわ上に上がっていきます。ベースは下がってるので全体として広がっていくイメージで(?)ゴージャス(?)。クラシックとかだと逆行?みたいな言い方したような記憶があります(嘘かもしれない)

ここまで出てきた黄色のパターンはここにも定期的に登場していて全体の統一感につながってる気がします。

「(捉)えたふねのりんかくは」のところが、Bメロ頭の「遠ざかるみなと」とほぼ一致していて伏線になってる?

イントロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

いわゆる4321。大好き過ぎて使いまくっており、またやってるわと思われてないか不安ですが、好きなので……。パッと思い出せる使用例としては

3のところをIIImにするかI/IIIにするか好みあると思いますが、I/IIIの方が明るくて今回のコンセプトには合うと思いこっちにしました。

2A

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7|IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | V#M7 | II# V# | Vsus4 VI

二番完全繰り返しだと飽きちゃうので三連符入れてみました。繰り返しも省略。

2B

IVM9 | IVmM7 | IIIm7 | VI7sus4 VI7
IIm7 Iadd9/III IVM7|IIm7 Iadd9/III IVM7 II7/IV# | VIbM7 | IIIb VIb | Vsus4 VI

Bも基本繰り返し。ベースのアレンジが光る(感謝)。

転調前のところでちょっとこねていて、VがVIbになってます。どうやってこうなったのかあんまり覚えてないですが、II7/IV#からVに半音で行ってたのを全音にしたらおもろいかな?というのと、ボーカルの「ソ」に対して当てるコードとしてVIbが好きなので手癖的に入れてみた、みたいな感じだったと思います。VIbM7→IIIb→VIbと往復するのは何とか本筋に戻ろうとウロウロした結果だったと思います。

IIIb VIbのところは+3転調してるので、ドから一オクターブ上のドへ跳躍して下がってくるところでソ#やラ#を経由してます。繰り返しつつバリエーションが生まれてる?

元ネタとしてStream ターンテーブル by EljiThomason | Listen online for free on SoundCloudがあって、0:46では「ドラ#ソ#ソ」のメロが、1:37にVIbに「ソ」を当てるのがあります(今思うと、ここの歌詞「旋回してまた出会う!」で、元ネタは曲名『ターンテーブル』だし「まわるまわる弧を描いて」って歌詞だし無意識に引っ張られたのかもしれない)

2サビ

特に変更なし。

間奏

IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IVM9 | V/IV | IIIm7 | VIm7
IIm7 | IIIm7 | IVmM7 | IIm7/V

いわゆる4536の変形。雰囲気がちょっとピリッとするというか陰りがある気がする。

ここも繰り返しを意識しつつピアノとストリングスのメロ考えました(省略)。

熱いギターが全てを解決し、Dメロへ……。IVmM7(要するにV#aug/IV)が好きなのでぶち込み、ギターも「ミドソ#ミソ#ド」とホールトーンでアチアチ。

Dメロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

4321のごり押し。間奏のちょっと陰りがある雰囲気を、IVmM7としもぞのさんのアチアチギターソロで突き抜けて、また光を得るみたいなイメージ。メロはサビのドから一オクターブ上のドへ跳躍するモチーフを展開させた感じです。

イントロの進行でもあるので帰ってきた感がちょっとあるかもしれない。

3C

コードは同じ。

キメを入れると嬉しくなれて、嬉しくなりたかったので入れました。

ベースがいい仕事し過ぎでマジで超感動。

アウトロ

IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9
IVM9 | Iadd9/III | IIm7 | Iadd9

基本的にイントロと同じですが、サビで転調したまま戻ってないので、強くなって帰ってきた感?がでてる気がします。

その他、影響を受けた曲や曲以外のもの

上で触れられなかった参考にした曲や曲以外のものについて

  • ミツバチ ‑ 曲・歌詞:Le☆S☆Ca | Spotify
    • 大正義田淵智也さんのナナシス曲。ベース、ストリングス、エレキギター、ピアノ、グロッケンなど、編曲の参考にしました。ベースのリファレンスとしてImanishiさんに伝えもしました。
  • 青空のラプソディ ‑ 曲・歌詞:fhána | Spotify

    • 具体的なことというより全体的なバイブスですが、華やかさとか、サビのコードがIから展開する感じとか、Bメロ→サビで転調する感じとか参考しました。大名曲。
  • サンシャイン・ロマンス - New Version ‑ 曲・歌詞:Original Love | Spotify

    • かな~りバイブスですが、男性ボーカル、海、太陽、みたいな感じで意識してました。Original Loveの良い意味での臭さをPollaidさん的?アニソン的?爽やかさに変換するイメージで作りました。
  • Shoo-Bee-Doo-Wap-Wap! ‑ 曲・歌詞:水瀬いのり | Spotify

    • マジでバイブスでしかないですが、ここら辺の女性声優ソングのわくわく感をやりたいんですよね~。「世界はまだまだ 大丈夫です」って言っちゃって成立する曲の強度というか……。
  • パパパ ‑ 曲・歌詞:斉藤 朱夏 | Spotify

    • 同上。この曲を含む、女性声優ソングとかに含まれる「主体から君への気持ち」みたいなものを一発抽象化、再解釈して、Pollaidさんに似合った別の気持ち(かつ僕が言いたいこと)に変換するイメージでやってます。
  • WiLD CANDY ‑ 曲・歌詞:LiSA | Spotify

    • 『水平線~』に限らず僕が影響を受け続けてる曲。
      全編好きなので歌詞引き出したらキリないですが「太陽と飛行機のキスシーンに say happy!」みたいな眩しすぎる表現と「人生ばっか考えちゃうのは(幸セッテ何処ダイ見エナイ)」みたいな微シリアスな表現のバランスが絶妙で、落ちサビで「裸足で笑うシンデレラ そうやって そうやって 生きてゆこう」「真っ白な1ページ 走り書きの "so happy!"」と、それらの表現が融合した形で強くスタンスを提示するのがすごい……。
      2012年LiSAさんのポップ・キュートさとシリアスさの合わせ方として正解な気がして、こういう塩梅でPollaidさんのさわやか・わくわく・ポップさとシリアスさ(?)みたいなものを融合させたいという狙いがありました。
  • ライフイズクソゲー ‑ 曲・歌詞:ひがしやしき | Spotify

    • 聴いて欲しい。
    • 船とか海とかが出てくるアニメのオープニング映像を見てイメージを膨らませました。特に『宇宙よりも遠い場所』のOPでサビに入る時、でっかい船をぐる~っとカメラが映すところが印象的で、イメージしながら作ってました。

    • リアル船の映像も見ました。特に一個目のやつは港に車で向かうシーンもあってかなり歌詞に反映されてます。

    • 0:22~。良すぎるテロップ。
    • カモメ映像。こういう作られ過ぎてないVlog特有の躍動感というかグルーヴというか、一番インスピレーション湧くかもしれない。
    • 作るのに向けて観たわけではなかったんですが結果的に影響を受けました。港の情景、船で陸から離れていくときの空気感(?)。

おわり

終わりです。後半に行くにしたがって若干しりすぼみになってしまいましたが何とか書ききりました。かなりめちゃくちゃなこと言っている可能性が高く、ご意見随時募集しております。

Pollaidさん、めちゃくちゃ熱いアーティストだと思うので是非チェックよろしくお願いします。

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