2022年良かった曲まとめ

 2022年を振り返るために、2022年リリースで良いと思った10曲、2022年に出会った(再会も含む)2022年より前リリースで良いと思った10曲を紹介します。

2022年リリース

 デカColour BassレーベルRushdownから1月に出たコンピの2曲目。Colour Bassの手法が広く知られて個性を出すのが難しい段階に入ったような気がしていたのですが(本当でしょうか?)この曲はカラーベースの水っぽい感じ?がありつつ、音抜き差しの展開や空間の展開があまり聴いたことない感じがしました(私のdigが浅いだけかも知れない)。メロディも好き。かっこよすぎ。

 

 4月リリース。a r u k a.さんはphritzさんのプレイリストに「あの枝の葉」という別の曲が入っていて知りました(こちらも大好き)。ビットクラッシュされたドラムと包み込むようなパッド、キュワキュワしたカットアップのリフ(?)に優しいボーカルのやさしいメロが乗って最高になってます。歌詞もめちゃくちゃ好き。「拝啓、土の匂いがする。」の歌い出しで掴まれました。

 

 5月リリース。音割れbreakcore?yanagamiyukiさんの原曲がそもそも大名曲なのですが、原曲の持っているエネルギーが激しい歪みとビートのアレンジによって更に増幅されているようにきこえます。「おれがお前の分もラップするボーカロイド 限界まで上げろ精度を フルシンクロ」「今日 死んで初音ミクになるEエンド? 生涯 人間のまま報われないレースを?」と人とボーカロイドの境界が曖昧になっていく中で「ユニークさ競うbeat 流行り廃りのスピード 命の自由意志を ねじ込む0.2秒 上位互換のボカロPがいてなお 書く意味を」と創作者の苦悩を歌う曲で、感情がデカい。残念ながらストリーミング配信されていなく、それによってあまり知られていないとすると本当に悲しい(spotifyで計上されていないのであれですが多分今年一番聴いた)。

 

 6月リリース。同月にリリースされたアルバムからの先行。メロディと声と歌詞がマジで良く、音数の少ないオケがそれらを引き立てている気がします。混合拍子の展開だけどスッと入って来もする(単に聴き慣れただけかもしれない)。歌詞が超好きで、上手く説明出来ないけど何か分かるという情景描写が巧みだな~と思いました。「やけに光ってた 看板気付けばもうない 遠くで犬鳴く」漠然とした寂しさ?時の流れ?
 kabanaguさんが「ほぼゆめ」制作中にインタビューに答えているpodcastがあってとても面白かったです。詩先で作ったという話、「いい歌詞といいメロディといいコードあればいいですよね」など。

#3 「dj newtown - 2005 REMIXES」発売記念インタビュー with Kabanagu & tomad (Maltine Records) - HIHATT DISTRIBUTION CENTRE radio | Podcast on Spotify

 

 7月リリース。カラカラ音、ギター、語り(?)からしっとり始まったかと思ったらすぐにfootwork的なキックが入って来てトップスピードに。複雑ながらも秩序だった(?)ビートでとても楽しい。ビートのノリが変わっていく展開も楽しくてめちゃくちゃ好きです。

 

 7月リリース。去年アルバム「See-Voice」を出したパソコン音楽クラブの次の一手は???と勝手に盛り上がっていた中これが出てひっくり返りました。「See-Voice」が全体として内向的なアルバムだったと思うのですが、これはかなり外側に開けるアッパーな曲にきこえます。「あっちこっち歩いていたい なんとなく楽しそうなほうへ」の歌い出し~。八分音符、ペンタトニックを基調とした、順次進行多めのメロで(?)めちゃくちゃキャッチー。ポップだけどビートは要所でかなりバキバキしてて良い意味でのオタク感(?)も感じます。サビの337のキックがめちゃくちゃ上がる。最初に聴いたときはこのキックのパターンをあるの種フリとして使うのかな~と聴いていたんですが、実際はそのまま最後まで押し切って(と言って良いのか分からないですがそうきこえた)それが新鮮にきこえたし気持ち良くもありました。

 多分この辺りで「ガチャガチャビートポップス」というジャンルを友達に提唱し始めました。厳密な定義とかは全くないですが、名前の通りビートがガチャガチャしてるポップスのことで、下のような曲たちを指したくて使ってる単語です。

 

 9月リリース。待ちに待ったウ山あまねさんのアルバム。マジでくらいました。エクスペリメンタル音(いわゆるキモ音?)にキャッチーなメロディ、ナンセンス?と一瞬思うような(実際にナンセンスなのかもしれない)聞いたことないフレーズであふれる歌詞、劇的な展開。各所で言ってるのですが、キモい音が単にキモい音として使われているだけでなく、ある種の切実な気持ち?に昇華されているようにきこえて、それがとても好きです。「ただ朝がくるまで 君と彷徨っていたい ずっと」ですわ。 

 

 11月リリース。PAS TASTAもピーナッツくんも好きなので、twitterで匂わせが来たときはマジでテンション上がりました。そして期待をゆうゆうと超えるクオリティ(最高~~~)。「祭囃子デジタル・パンク・サウンド」らしい。突拍子のない展開、歪み、サンプリング。とにかくでっかいエネルギーを感じました。ネットミームがちりばめられたMVもクール。PAS TASTAが今年というのがびっくり(all nightは去年だけど)。マジでやばい6人のマジでやばいグループなのでマジで要チェック。

 

 11月リリース。Fellsiusさんのアルバムから。マジで大名盤なのでどれを上げるかとても迷ったのですが今の気分ではこれが一番。アルバム全体として、エクスペリメンタルなサウンド、ストイックなビート、音数を絞って無音を聴かせたり、ドライな感じを聴かせる曲が多いと思うんですが、13曲目でデカ空間のbreakcoreが始まって最初聴いたときにたまげた記憶があります。これも全体を通して言えると思うんですが、ストイックさというか、アングラ的なダークさというか、そういう闇っぽい雰囲気を感じさせつつ、所々エモというかハッピーというか、そういう光っぽい雰囲気も感じられるのがとても好きです。デカ空間からドロップでまたドライな感じなる展開、最高~~~。なんてジャンルなのか分かって無いのですが高速でアッパーなビートマジで最高です。そしてまたデカ空間になり、breakcoreに戻るのかと思ったらshoegaze?になる展開、大団円過ぎる。高速ビートを聴いた後だからこそrock的な?ビートとデカい空間がよりでっかくきこえる気がします。普段あまりアルバム単位で聴かないのですが、このアルバムに関しては頭から最後まで聴きたくなります。一貫性を感じられる一方であの手この手でいろんなグルーヴを感じさせてくれて飽きませんし、曲順にもメッセージを感じました。是非聴いて欲しいです。

 

 12月リリース。foleyやgranularサウンドに星宮ととさんの声がのったら最高よね。凄すぎてどう説明すれば良いのか分かりませんが、クチャクチャした音にストリングス、ピアノなどアニメの劇伴的なメロ、コードが合わさってとにかくデカ感情。この方向のサウンドデザインの曲に今年何曲か出会っておもしろいな~と思っていたのですが、年末にオタク文脈?でこのようにまとめてくれる作品が投下され、まさに求めてたものだったので本当にうれしかったです。とにかくすごすぎ。

2022年出会った曲

 phritzさんのプレイリストに入っていて知りました。Indie Popと括られるんでしょうか(何もわからない)。とにかくドラムとベースがめちゃくちゃカッコいい。ドラムが良ければ曲って良くなる???👈そうっぽいよ。

 

 どういう流れか思い出せないのですが1月にMathrockにハマっていたようで、toeをかなり聴いていました。ギター、sine波、エレピ、グロッケン、ドラム、ベースなどが複雑に絡み合いながらじわじわ盛り上がっていくのがめちゃくちゃ気持ちいい。生ドラムってマジ気持ちいいということに気づきました。

 

 uku kasaiさん。去年Maltine Recordsのリリースを新しい方から聴いていく会をやって別の曲を聴いてはいたのですが、こちらの記事を読んで改めて他のリリースもちゃんと聴いてめちゃくちゃハマりました。

uku kasaiインタビュー 音楽に「温度」を宿すSSW――オンリーワンなサウンドは「手持ちの音」から – Soundmain

ざらついたビート、ノイズっぽい音の上にウィスパー気味のボーカルが乗るのが何とも言えない雰囲気(?)。ドロップ(?)のビートがめちゃくちゃかっこいい。この曲でハイハットってかっこいいな~ということに気付きました。

 

 結局Rockなのでは?と定期的になるのですが、その時に友達に教えてもらった曲。アジカンってかっこいいぜ。「現実と非現実の隙間を縫い飛ぶような 想像を その愛情を それだけが打ち抜く 僕を」という歌詞がめちゃくちゃ刺さってずっと意識しています(かっこいい)。

 

 イノタクオタクムンベ。去年聴いてお気に入りに入れてたんですがそのときはあんまり分かって無かったようで全然聴いてませんでした。ガチャガチャビートポップスを募集した時に送られてきて「これ!!!」となりました。

 

 フジロックの配信でCorneliusを見ていたときに流れて「すご!!!!」となった曲。渋谷系にハマっていた時期に聴いたはずんですが、当時はあまりわかっていなく、ビートの面白さに気づいた今ききなおすとめちゃくちゃかっこいい。breakcore、drill 'n' bass的な激しい高速のビートに対して、それに乗ってるアコギやストリングス、口笛、ボーカルなどはゆったりとしていて、その合わさり方が絶妙。速すぎて遅いみたいな感覚が自分にはあって(ヘリのプロペラが遅く見えるやつの音版?)それが心地いいです。バイブス的にも光寄り(?)で好み。時代感とかあまりわかってないんですが「これ97年の曲???」と驚かされます。かっこよすぎ。

 

 田淵智也×鬼頭明里。大分前に知ったはずなのですがその時はあんまりハマらなく、今年なんかのタイミングで聴き直してめちゃくちゃハマりました。田淵さんメロの特徴だと思ってるのが移動ドで言う「ファ」の使い方で、この曲でもそれが全面に出ている気がします(例えばサビの「目を奪って」や「日付が変わる少し前」の「がーかー」など。特に後者はかなりキメとして効いてるようにきこえる)。

 

 breakcoreを聴いてる中でpencilさんを知り(教えてもらったかもしれない)たどり着きました。footworkって良くね?となった大きな要因(これはfootcoreらしいけど)。コードが変わらなかったり短いサンプルが執拗に使われたりする展開の気持ちよさをここら辺で理解し始めた気がします。

 

 経緯は思い出せないんですがこの時期Jersey Clubにハマってたどり着いた曲。多分footworkおもしろ→キックの置き方のパターンで生まれる面白に興味が出る→Jersey Clubを思い出すという順番?あとは単に誰かが言及してたので思い出して聞いた?モッっていうキック。空間の使い方。短いサンプルを執拗に繰り返すのは瞬間を永遠に的なマインドでは?と周りに提唱していた気がする。

 

 glitch hopのゆったりとしたノリの空白に速いbreakbeatsとスラップベースを詰め込んだような曲。ハッピーなメロとコードに激しいビートとベースが絶妙に合わさった結果めちゃくちゃハッピーに。これも速すぎて遅い的なマインドを感じる。

 

 以上です。後半に行くにつれて雑になってしまいましたが、とにかく年内にちゃんと書いて公開することが大事。まとめたプレイリストをはっておきます。

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10曲縛り無し版もはっておきます。覗くだけでも是非。

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HASAMI group 21st album「パルコの消滅」(Full Album Stream) - YouTube

 

2022に出会った(2022より前リリース) - playlist by kosamega | Spotify

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ついでにTop Songs 2022もはっておきます。

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